渡辺裕之 『迷宮の門 警視庁特命捜査対策室九課』
- 2019.08.31 Saturday
- 05:56
JUGEMテーマ:読書感想文
特命捜査対策室は一課から四課まであるが
飛び番号の九課とは、一体なんだろう。
本書内で岩城が他の署員に説明したのは
『苦しむ』からきていると言う説の九課。
設立に関わった警察幹部によると『question』
のQをもじって、九課。
かなり意味ありげなネーミングです。
警視庁特命捜査対策室九課は現在・過去を
問わず未解決事件を扱う部署。
しかしながら、色々と問題がある3名から
構成されているのは、単に他の部署から
啓示を引き抜くのが難しいからと言う
理由ですが、最初の事件の解決の糸口を
見出すあたりは、とても優秀なのが解ります。
ある種の年齢層の女性をターゲットにしている
殺人鬼。不動産サイトから得た情報を使い
殺害する相手を探すのは、頭脳派です。
しかも、首つり自殺に見せかける手口は
巧妙です。最後は犯人が捕まり、万々歳だと
思ったら、共犯者が居たなんて
ちょっと意外でした。警察をも出し抜いた
犯罪プランでしたが、最後は自分で自分の
首を絞めた感じが、情けないですね。
光文社
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