大崎梢 『忘れ物が届きます』
- 2018.08.31 Friday
- 04:47
JUGEMテーマ:読書感想文
5つの短編からなる『忘れ物が届きます』。
どの編も忘れていたことを突然思い出させ、犯罪等を
思い起こさせる、モダンホラーのような作品でした。
『紗羅の実』は、不動産仲介の仕事で立ち寄った
客先で、小学校時代の先生とあったことから
昔の拉致事件について、先生からの事件の推理を聞かされる。
営業マンが小学校時代に体験した、拉致事件と
その友達の父親がビルで転落死した事件を結びつけるもの。
それは椿の実。椿の実をストラップに使っていることに
気付いて元教師。拉致事件と転落死事件の関わりを推理
したが、それは間違った推理でした。
やはり、人が想像するよりも事件は奥深く
そして、出来事は容赦のない現実。
最終的に営業マンが一人になったところで
明かされて事実は、怖いですね。
なんだか、呪詛の世界を垣間見た感じがしました。
沙羅双樹の実、それは夏椿と呼ばれている木の実ですが
営業マンが持っていたのは、椿の実。
沙羅双樹の実の花言葉は、『哀愁』。
しかし、椿の花言葉は『謙虚な美徳』。
このふたつの花言葉が、『紗羅の実』ストーリーに
関係していたことを後で知りました。
光文社
【言及リンク】
http://tb.bblog.biglobe.ne.jp/ap/tb/4e3f518cbb