櫻いいよ 『黒猫とさよならの旅』
- 2016.09.28 Wednesday
- 20:26
JUGEMテーマ:読書感想文
冒頭の
「逃げ出して、記憶を失ったその先で、
自由気ままな野良猫と頑張っているきみと、
未来を探した、冬の終わり。
頑張ることから逃げ出したr。また頑張れる気がした。」
が、本書の言いたかったことの全てを表しています。
読んでいて、なんだか懐かしい雰囲気がするのは
どうしてなのでしょうか?
主人公の女子高生に共感できたからなのでしょうか?
それとも作者の言いたかったことに
納得したからなのでしょうか?
読んでいて、とても心地よくなる不思議な小説です。
学校や家庭のしがらみから、逃げ出したくなって
ひとり自転車を走らせる女子高生の茉莉。
横からきた猫とぶつかったことで
話すことは出来ないけど、テレパシーのように
人の頭の中に思っていることを伝えることができる
黒猫と同じように学校をさぼっている
何だか訳ありの男子高校生の壱と
自転車でちょっとした旅をすることに。
この展開は、どこかで読んだことのあるような
感じがしましたが、もしかしたら以前
『黒猫とさよならの旅』の冒頭を読んだことが
あるのかもしれません。
なんだかストーリーの向かう先が読めてしまって
どんどん先を読んで見たくなる衝動に駆られました。
これは、本書が面白い証拠ですね。
スターツ出版