本は、紙派?電子書籍派?
- 2015.01.31 Saturday
- 21:32
遺産相続により、日本からミラノに移り住むことになった
母と娘。 小説ではあまり苦労は語られていませんが
言葉や文化の壁を乗り越えての生活は、凄まじい苦労が
あったことでしょう。
隣に住む家族の不思議な人間関係。
これも日本人には、到底理解しがたいものが
あります。やはり、大陸の人々の懐の深さなのでしょうか。
ミラノでカフェを始めるにあたって
スイーツの開発は、ちょっと面白かったです。
芸術家の作品をイメージとしてとらえて
それを商品にして、カフェで売り出す。
これって、生粋の日本人にはあまり向かない
発想と割り切りですね。
エアコンよりもクラシカルな扇風機を好む
人もいれば、昼間の暑い時間はカフェで仕事を
する人もいる。現地にうまく溶け込めたから
常連客も増えてたのでしょう。
最後のどんでん返しは、このストーリーには
要らないような気がしました。
ミラノの日常だけでも十分に楽しめました。
講談社
【言及リンク】
本当に気に入った物ならば、なかなか捨てずに
長く使い込む。しかし、ほんのちょっと気に入った物や
衝動買いしたものは、飽きたら捨ててしまうか
タンスや物置などの肥やしとなってしまう。
これは、大量生産、大量消費における欠点。
捨ててしまうと、ゴミとなるのでゴミ処理の費用が掛かる。
その点、リサイクルショップで売ると
ゴミとならずに物が生き続ける。
しかし、経済的に見ると勿体ない。
やはり、本当に気に入った良い品質のものを
メンテナンスをしながら長く使い続けるのが
古来の日本の姿であったはずだったのに
いつから大量消費、大量廃棄になったのだろうか?
物が少なかった時代には、少々壊れても
修理をしながら使い続けてきた、昔の日本の
姿が環境にも自分の懐にも優しいのだと
思い知らされました。
物があふれていることが豊かな象徴でなく
良いものを長く使いこなすことは
文化的に豊かなのでしょう。
そうなると現代の日本は、とても貧しいのかも
知れませんね。
角川マガジンズ
【言及リンク】
1950年代のアメリカは、UFO目撃が1500件以上。
その原点は、実業家が自家用飛行機で遭遇した不思議な飛行物体に
遭遇したことを発表した影響で、未確認飛行物体の目撃件数が
劇的に増えている。
しかし、これはネッシーの目撃情報と似ている。
ケンタッキー州で空軍機(P−51)が
未確認飛行物体に撃墜された?ことで
宇宙人説を唱える人が出てきて
様々な事件が起こったことで、未確認飛行物体が
信じられる下地が作られたのは、驚きです。
次回 「アメリカUFO神話に迫る Part2 ロズエル事件・前編」
【言及リンク】
◆ 櫻子さんの足下には死体が埋まっているシリーズ
冒頭での館脇正太郎の病院でのシーン。
一体何があって入院しているのか、想像してしまいます。
病気を患ったのか。
それとも学校で何かをしでかして、大怪我をしたのか。
それにしても九条家のことを思い浮かべるとは
九条家の面々は、正太郎のお見舞いに来ていないのでしょうね。
何故なのか、とても気になります。
本書は、前作『蝶は十一月に消えた』の続編でした。
前回の恐ろしい事件の真相を探るために薔子さんを
カモフラージュとして、櫻子と正太郎が事件の真相に
迫りますが、主犯格の一人を取り逃がしてしまう。
ある程度のところで、警察に任せれば良かったのに
と思ってしまうのは後出し、じゃんけんと
同じでしょうね。
主犯格の関係者が起こした医療事件が
今回の事件に繋がっていたなんて、人の言うことを
まともに信じるのは、止めてしまいたくなる気分です。
最後に明らかになる正太郎の入院理由。
正太郎をひそかに思っている?鴻上百合子でなくとも
起こりたくなるような理由。
一歩間違えれば、病院でなく違う場所に
送られていたでしょう。運が悪ければ、一生行方不明者の
一人に加わっていたかもしれませんね。
角川文庫
【言及リンク】