仲町六絵 『からくさ図書館来客簿 第三集 −冥官 小野篁と短夜の昔語り−』
- 2015.04.05 Sunday
- 12:52
JUGEMテーマ:読書感想文
◆ からくさ図書館来客簿シリーズ
天道、地獄道、修羅道、餓鬼道、畜生道があるが
また、現世で善い行いをしたにも関わらず天道にも行けず
現世を彷徨い続ける道なし。冥官により天道に導かれなければ
何れ消えてしまう悲しい運命が待っている。
道なしたちを縄張りにおびき寄せたり探し出すのが冥官です。
『からくさ図書館来客簿』は、冥官の中でも
昼は役人、夜は冥官として閻魔大王に仕えていたとされる
小野篁と時子の現世で冥官として活躍するストーリーといったところです。
ちょっと前置きが長くなりましたが
第三集で登場した太田道灌。
江戸城を築城した人物ですが、出家していたとは
本書を読むまで知りませんでした。
主君に裏切られて惨殺された太田道灌が
道なしたちを救うために歩き回っている設定は意外でした。
一見、強面で竹刀を持っている太田道灌に
付け回されるとなると恐怖を感じてしまいます。
第三集から完全なホラーになってしまったのかと
心配しましたが、いつも通りの心に優しいストーリーで安心しました。
メディアワークス文庫
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