米澤穂信 『いまさら翼といわれても』
- 2018.06.19 Tuesday
- 21:39
JUGEMテーマ:読書感想文
古典部 シリーズ
表題の『いまさら翼といわれても』を入れて6つの短編からなる
古典部シリーズ。しかしながら、いくつかの作品はどこかで
読んだことがあるような気がするのは、デジャブではないと思います。
雑誌か何かで読んでいるような感じがしました。
さて、表題の『いまさら翼といわれても』の出来事ですが
それ以外の短編でも千反田えるがの様子が少し変な事が
折木奉太郎が気づきますが、折木奉太郎らしく
異変に対して積極的な行動をとしません。
このとき、折木奉太郎が行動していれば
『いまさら翼といわれても』の出来事も変化があったのでは
と思われて残念です。
普段、話しかけてこない父親に呼ばれた千反田えるは
父親の言ったことに動揺したのでしょう。
古典部の部室で、千反田えるの異変に気付いたのは
伊原摩耶花や福部里志でなかったことが、悔やまれます。
本書の最後の様子からして、事態は好転していないはず。
しかし、千反田えるが自分自身で解決しなければならない
ことと、千反田えるに対する周りの状況も変わらなければ
今までと一緒なのでしょう。
このまま何も解決せず、千反田えるが消えてしまうことも
考えられますが、それだと古典部シーリズは本書で完結
してしまいます。
角川書店
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