桜庭一樹 『少女には向かない職業』
- 2017.11.03 Friday
- 01:01
JUGEMテーマ:読書感想文
『少女には向かない職業』といタイトルからして
暗殺者やゲーム上の出来事を想像していましたが
本書を読んで見るとタイトルとは違う女子中学生が
主人公でした。何故、職業という言葉をタイトルに付けたのか
未だにわかりません。読んで見ても職業は、学生。
必殺仕事人の様な暗殺者ではないし、女子中学生が
空想で設定した自らの職業なのでしょうか?
主人公、大西葵は血の繋がらない父親が
昼間から飲んだくれ、娘のバイト代を盗んで
酒などを購入する、不幸な少女。
思い切った行動をするが、殺人鬼とは程遠い印象がある。
もうひとり登場する主人公クラスの宮乃下静香。
こちらは、地毛が茶色なのに黒髪に染めたり
伊達メガネをかけたりと、わざと地味な格好をしているが
私服は黒のゴシックロリータと変なファッションセンスの
持ち主。実際に手を下した大西葵よりも彼女を操り
結果的に殺人の手引きをした宮乃下静香のほうが
殺人者といえるでしょう。
修学旅行先で、なんちゃって武器を購入して
それで従弟を殺せるのか?
など疑問はいろいろありますが、殺人者の心理的な面は
よく描かれていると思います。
東京創元社
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