太田紫織 『櫻子さんの足下には死体が埋まっている はじまりの音』
JUGEMテーマ:読書感想文
◆櫻子さんの足下には死体が埋まっている シリーズ
九条櫻子の実の母である九条撫子の執念を
知ってしまっても、館脇正太郎が平静を保っていられるのは
九条撫子が、既に死んでいるからなのでしょう。
たとえ、九条撫子の死にざまを九条櫻子に語られたときは
恐怖におののいたとしても、生きている人間の
執念よりも、恐れるに足りずなのでしょう。
花房の目論見によって殺されかけた館脇正太郎には
執念や怨念などを構っている状況でないことも
館脇正太郎の精神を崩壊させないことに役だって
いると思われます。
九条櫻子の叔母であり、九条撫子の姉である
九条薫子は、趙の絵を描くのが好きだったと
ばあやさんに語るのは、作者が花房の影を館脇正太郎に
ちらつかせて、恐怖を煽っているのでしょう。
九条薫子は川に落ちて、亡くなったことになっていますが
遺体が見つかっていないことから、花房につながる何かが
あるのでしょうね。ちょっと怖い展開になってきた
『櫻子さんの足下には死体が埋まっているシリーズ』は
モダンホラーの扱いで出版しても良いのではあないかと
思ってしまいます。
角川文庫
【言及リンク】
http://d.hatena.ne.jp/kouao/20150929/14435275
- 2016.05.15 Sunday
- 書籍
- 10:50
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- by 波津雪希